創業は文政2年(1819年)、宮尾酒造は新潟県北部の村上市にあります。鮭の川として名高い三面川(みおもてがわ)の支流・門前川沿いに蔵を構えます。
〆張鶴の名は、酒を神聖視して〆縄を張る"〆縄"と当時の若鶴の"鶴"を取って「〆張鶴」とされたと伝えられています。
「〆張鶴」の町・村上市は、城下町の風情を強く感じる町で、町屋造りの家並みや多くの史跡めぐりが楽しめるところでもあります。市外北部を流れる三面川の酒を素材とする郷土料理が発達しています。そのため お酒はその味わいをより深め楽しめる飲み物として作られていったと思います。
宮尾酒造では、昭和40年代頃から全国では珍しい純米酒造りをはじめていたそうです。そこで生まれた「〆張鶴・純」は、今では純米酒といえば当たり前に どこの蔵元でも造っていますが、純米酒の先駆け的なお酒が「〆張鶴・純」ということです。
さらにお米に関しても、地元農協の営農指導員と協力し、五百万石の改良につとめ 平均精米率が54%を切るというこだわりを持っています。仕込み水は三面川の伏流水で、きめ細やかな甘味を持つ軟水です。
しかも流通にもこだわりがあり、蔵元から飲み手となるお客様へ 造り手の見える形でお酒を届けたいからと問屋経由ではなく、すべて契約の小売店で販売しています。
〆張鶴の味わいは スッキリとした口当たりですが、ふくよかな味の膨らみと豊かな旨味、キレを伴ってさり気なく消えていく綺麗な後味のお酒です。(飲む方によって、若干感じ方は違うと思いますが、ご参考までに、できればお客様の舌で味わってください。)